No.217「覚悟を決めて~広がるお茶の世界~」
〜コラム 〜
No.217「覚悟を決めて~広がるお茶の世界~」
何かお手伝いができれば、という気持ちで青年部に入会した私が、その十数年後、会員が少ないという状況もあり、まさか部長を引き受けるか考えることになるとは思ってもいませんでした。
先生は「部長はとても大切な役割、覚悟を決めて引き受けるなら、良い経験になると思いますよ」とお話しくださいました。私は、会員が少ないから部長になりましたではダメなのだ、言い訳はしないで覚悟して臨むと腹を決めました。
その年はコロナ禍で,全国の部長を対象にしたオンライン研修会は10人ほどのグループワークから始まりました。愛知の人、山口の人などなど歴史ある茶道の盛んな土地の皆さんとご一緒することに初めは気後れしていましたが、すてきだな、行ってみたいな、いずれ会ってみたいねと話は盛り上がっていきました。
お茶という共通項が私たちをつないでいる、そして、北海道の地でしっかり茶道を学ばせていただいているからこそ、この会話を楽しめるのだと感じました。
出張先のホテルで自分のためにお茶を点てる人、海外へも茶箱をたずさえ手品のようと喜ばれた人、公園に畳を持ち込みオープンなお茶席を設けた人、寮の一室を期限付きのお茶室にした人。それぞれに自分のお茶を楽しんでいました。
青年部に入らずとも稽古に専念することはできます。でも、お茶との向き合い方や楽しみ方にこんなにも多様性があることを気づかせてくれたのは、たくさんの出会いのおかげです。
全国、全道には、似たような課題を持つ青年部があり、悩んだり苦労しながらも、お茶を楽しむ部長さんたちの存在を知り、私も気負わずに楽しもうと思えるようになりました。
覚悟を決めた日から、私のお茶の世界は広がり続けています。視野が広がると、目の前の困りごとが小さく見えることもあります。
限られた部長という時間を、支えてくださる大勢の方に感謝しながら、気をゆるめずに楽しみたいと思います。