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学び舎

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〜 連載 学び舎〜

No.93「千家十職について」



コロナ禍に様々なオンライン研修が開催され、その中には千家十職の職家の方が講師をしてくださる機会がありました。
お稽古でお道具について学ぶことはありますが、そのお道具を作っている方のお顔を拝見する事で、今までより身近に感じ、今まで以上にお道具に興味が沸き貴重な経験になりました。
そこで、千家十職について改めて学びたいと思います。
中国から伝わった喫茶法は時代と共に和様化し「茶の湯」が大成され、千利休は日常のもてなしの文化として成就しようと考えた時、高価なお道具で揃えるのではなく、日常使いされている日本の道具に用途を見出そうと考えた事が始まりとされているそうです。
千利休が千家十職を作ったわけではなく、江戸時代中期に十職となりその後も変動があったそうです。
千家は三つに分かれますが、三千家の御家元それぞれに職家は出入りし、茶道具を納める10の職家を「千家十職」と言います。

・「樂焼 茶碗師」 桃山時代 初代長次郎が作ったのが初め。
 当代は十六代 樂吉左衛門さん。
・「釜師」     江戸時代初めより 初代大西清江右衞門 
当代は十六代目。
・「一閑張細工師」 初代一閑は中国より日本へ亡命してきた方。
 当代は十六代目 女性当主 飛来一閑さん。
・「袋師」     土田友湖は隠居名であり、土田半四郎が当主名。 
当代は十三代目。
・「土風炉 焼物師」初代は土風炉師。千家十職となったのは十代目 永樂了全以降。
当代は十八代目 永樂善五郎さん。
・「塗師」     初代は中村八兵衛(宗哲)。
          当代は十三代目 女性当主。
・「竹細工 柄杓師」初代正玄は、武家茶人。柄杓や茶筅以外にも茶杓、竹花入、菓子器
等茶道具に必須のものを作っている。
当代は十四代 女性当主。
・「表具師」    初代奥村吉兵衛が京都へ移り、二代目から千家へ出入りしている。
風炉先屏風や紙釜敷など、千家の紙に関する一切の仕事。
当代は十三代目。
・「指物師」    初代宗源が指物業を始め、四代利斎から千家に関わり、以後、当主
は利斎を名乗るようになった。
当代は不在ですが、十四代の甥の息子が修行中だそうです。
・「金物師」     初代中川紹益。
二代目から中川浄益という名を継いでいる。
            十一代が死去した後、当主は不在。
これから講演会や展覧会でお目にかかる機会があれば、千家十職の作品を通して、千利休が伝えた茶の湯の心を感じたいと思います。

参考:読売新聞(2022年9月4日発刊)