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No.61「ナショナルコンファレンス2016に参加して」

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〜 部長コラム 〜

部長コラムNo.61「ナショナルコンファレンス 2016inいわきに参加して」





image  6月17日、雨続きだった北海道から福島の暖かい気候に触れ、着いて早々良い経験ができそうな予感でいっぱいでした。そしてこの3日間を終えて思うことは、参加して本当に良かったということです。 この日のために削った茶杓が今、会場でお会いできた方に渡り、私の手元には新しい茶杓があります。

 呈茶席で次々に運ばれてくる青と白のお茶碗、歓迎して下さる皆様の笑顔、お家元がおっしゃられた雨後青山転青のお言葉に、福島で開催されるナショナルコンファレンスへの熱い思いを強く感じました。あれもこれも受けてみたかったコース別研修も、報告会でそれぞれの様子を見れるようにしてくださり、まるで自分もそこに行ってきたかのように思えました。

 オプショナル茶会では、薄暗い部屋の中、福島の和紙からこぼれる光と、16本の竹で組まれた干菓子器が青年部の目指すところ、発想の豊かさを教えてくださいました。

 驚きと感動、3日間の忘れられない体験の場を与えて下さいましたいわき支部、青年部の皆様、東北ブロックの皆様、実行委員会の皆様に、心より感謝の気持ちを申し上げます。


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  今日庵席のお床に掛けられた「幽閑」。かすかで、もの静かなさまを表すこのお軸にお家元は東北に住む人々の印象をかさねられました。あまり多くを語らずに苦難にじっと耐え、派手ではないけれど懐が深い優しい人々。

  2日目のコース別研修で、そんな福島から参加の二人の女性と知り合うことができました。出発までのバスを待つ間に地元の情報をいろいろ教えていただきました。そのうちのおひとりは、研修の後の報告発表をされました。冒頭のひとことにショックを受けました。「わたしは研修の間中ずっと小雪が舞い散るあの日のことを思い出していました」スパリゾートハワイアンズでの研修は、常夏のように暖かく、吹き抜けのドーム型の施設内は、まるでハワイにいるかのような錯覚を起こしそうだったからです。

  前半は、幾多の困難を乗り越えてきたハワイアンズの歴史と力強く前向きなお話に勇気づけられました。後半のフラダンス体験も、笑いの絶えない明るく楽しいレッスンでした。その分、ほかのコースに比べると震災に関する内容があまり濃くないようにも思えました。彼女の発表を聞きながら、私とは真逆のことを感じていたことに驚き涙があふれました。

  3日目の東北ブロック主催の薄茶席でも、和服姿のおふたりは、それぞれ広報と呈茶のお仕事に忙しく立ち働いていました。「雨後の青山、青うたた青し」そのたおやかなお姿にこちらが励まされる思いがしました。いわきは、公園の紫陽花が蕾をいっぱいつけ今にも咲きそうな緑鮮やかな季節でした。同時に多く人の心の中にあの日の冷たい雪が今なお降り続けていることを知りました。目に見えるものと見えないもの。その両方に思いを馳せることの大切とたくさんのご縁を頂いたかけがえのない3日間となりました。

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