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No.215「職場でお茶を」

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〜コラム 〜

No.215「職場でお茶を」



 私は高齢者施設に勤めています。
ある日、利用者様との会話で「昔茶道を習ったり、お茶会に行っていたよ」「また久々に抹茶を飲みたいけど、日により体調が分からないから茶会に行けない」という声があり、上司へ相談し茶道体験ができる時間を企画致しました。

体験内容は、茶道の和敬清寂の心を感じていただけるよう、隣の方に「お先に」「どうぞ」と声をかけ、干菓子を取って召し上がっていただき、私が点てた抹茶を飲んでいただきました。一人で取り組むのは大変難しく、同僚へ声をかけ協力していただき実践致しました。

はじめは茶道体験のある方と茶道に興味のある方の日に予定を組み実践しました。
干菓子の和三盆や錦玉のお菓子を運ぶと「本格的なお菓子」と表情が明るくなり、抹茶を飲まれると「美味しい」と声が上がりました。その後、昔話をしながらお仲間へお菓子、抹茶のいただき方を楽しそうに伝えられていました。
まわりで見学されていた方、職員も次々と「飲んでみたい」と声が上がり「抹茶は苦いイメージだったけど美味しかった」と楽しんでいただきました。

はじめは数回の予定でしたが、利用者様よりリクエストの声が多く、コロナ流行前3年間、レクリエーションとして茶道体験を月に二回継続して取り組んでおりました。
茶碗が持てない方にはマグカップにうつしたり、介助し飲んでいただく工夫もしました。

これらの事を通して、限られた空間、お道具であっても相手の状況に合わせて工夫する事で日本文化の茶道を楽しんでいただくことが出来ることを体験しました。
今は職場の部署が変わり実践できていませんが、またこういう機会をもてるよう稽古を頑張ろうと思います。

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