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コラムNo.248「あの達成感と景色を求めて」
「お疲れ様でした」
お茶会の会場で輪になって集まっている人達が別れの挨拶を終える。2日間の長いようで短い秋のお茶会を終え、会場に設営されていた棚や道具は片付けられている。挨拶を終えた会員は解散し、各々の荷物を持って帰っていった。会場から見える外の景色を眺める。周りには背の低い建物しかほとんどないので3階から見える景色は地平線の彼方まで続いている。どんよりとした空であるが、秋のお茶会を終えられた達成感を感じていた。ここから見える景色が私は好きだ。
「本日はよろしくお願いいたします」
秋のお茶会の当日、会場は緊張感に満ちていた。深呼吸をするも落ち着かないまま本番を迎える。数か月前から道具の選定やお干菓子の準備を進めていたものの、イレギュラーが発生するかもしれないという不安を考えながら過ごし、対策を考えての本番だった。心臓がバクバクしながら1席目を迎えた。緊張で声が小さいとか早口になりがちとか周りの方からの助言を聞いて次の席で改善できるよう繰り返しながら半東をつとめる。そして、最後の席を迎える。最後の席では今日言われたことを全てやり遂げる気持ちで臨んだ。無事席が終わり、正客から「今日のお席、とても良かったです」と言われたときはとても嬉しかった。得も言われぬ達成感を感じた。
会場から見える景色を眺める。自分はこの達成感の余韻に浸りながら眺めるこの景色がとても好きなのだと思う。だから、去年のお茶会でも見たこの景色をまた見に行きたいと思ったのだろう。そして、この達成感を糧に来年のお茶会へと繋げていくだろう。
会員や手伝いに来てくださった先生方や学生の手伝いなしでは成功しなかったお茶会だった。皆さんのご尽力に感謝し、来年のお茶会でも青年部の席を持つ決意を胸に会場をあとにした。