No.81「 見立ての達人への道」
〜 特集コラム 〜
コラムNo.81「 見立ての達人への道」
数年前、青年部の先輩がおっしゃった言葉で忘れがたい言葉あります。
「100均行ったらワクワクするよね、あれもこれもお茶に使えそうで」
100均に売っている雑貨はあくまで雑貨でそれをお茶道具に見立てようなどと考えたこともなかった私はただただ不可思議に思ったものです。
今だ100均に入ったところでワクワクなどしません。それどころか、目的が「茶会で使えそうな○○を探せ!」だとすると頭も胃もキリキリするし、なんとか使えそうなものを見繕って会員に画像を送っても既読スルーなどされた日には孤独感に苛まれるだけです。
むしろ100均嫌いになりそうです。
それでも最近、お茶とは全然関係のない場所で見た物もついつい見立てに使えないかと考える癖が少しついてきたようです。
静物画に描かれた壺を見ては「水指に良さそう」と思い、洒落た平皿を見ては「これだと主菓子が3個くらいしか乗らないからダメ」なんて考えます。
きっと道具の取り合わせや見立てのセンスが磨かれれば、今以上にいろいろな物が茶道具に見えてくるのでしょう。
遠い将来、私も、もしかしたら「100均ってワクワクする!」なんて言う日がくるのかもしれません。