No.154「変わるべきものと、変わるべきでないもの」
〜コラム 〜
コラムNo.154「変わるべきものと、変わるべきでないもの」
これからコロナの第二波がくるかもしれないと言われている中、社会情勢は目まぐるしく変化している状況です。IT社会と言われながらも、なかなか進まなかった在宅ワークがコロナの影響で促進され、その他にもコロナの影響があったから生まれたサービスもあります。
その一方で、コロナがあっても変わらないものがあります。ふと、自分の住むまちの風景を見回すと、紅葉が進み、稲刈りなどの農作物の収穫が始まっております。この自然を通した営みは、コロナがあったとしても変わらずに、これまで同様進んでいるように感じられます。この無機質な変化と有機質な恒常の両輪が、大切であると最近感じるようになりました。
それでは、茶道ではどうでしょうか?最近では、オンラインでの茶席が増えてきております。本来、その場の空間を運営と参加者が一体的に感じることのできるはずが、オンラインを通すことで、実際の場が異なる場となってしまいます。画面を見れば、みんなが確認でき、周りを見れば、自分の場が見える、なんとも奇妙な感じを受けます。この奇妙な感じは、元来のその場で一体的な空間の心地よさを感じてきたからであり、茶道においては、そのほうがいいと感じたからこそと考えます。
コロナの状況が長引けば、今の状態が当たり前になる可能性があります。しかし、茶道においては、今までの当たり前が、茶道の良さです。そのことを忘れずに、しっかりと現実に向き合っていきたいと思います。