No.91「稽古とは一より習い十を知り…」
〜 コラム 〜
コラムNo.91「稽古とは一より習い十を知り 十よりかえるもとのその一」
稽古とは一から二、三、四と順を追って十まで進み、
その次には再び初めの位置に戻って、改めて二、三、四、五と順に進みます。
初めて一を習う時と十から元の位置に戻って、
再び一を習う時とその習う人のこころはまったく変わっているものです。
お茶会でたくさんのお道具を拝見させていただきます。
お茶を習ったばかりの時は、お軸の意味を聞いても十分に理解できず、
力強い字だな程度に思っておりましたが、稽古を重ねていくと、
表具はどうなっているのか、どんな裂地で墨跡を支えているのか、
そこに何か意味はあるのかなど、たくさんの見どころに気付き、
拝見させていただきます。
自分の稽古を重ねた結果、前に拝見させていただいたお道具が
どうみえるか楽しみに、お茶会によせていただきたいものです。