No.58「私と茶道」
〜 コラム 〜
No.58「私と茶道」
お茶を始めたのは、「雛祭り茶会」に招かれた事がきっかけだった。
就職して間もなくの頃、仕事で先生の御主人を担当させていただいた事が御縁となった。
数回御来店いただいたある時、御主人が「うちの奥さんはお茶を教えているんだよ。今度雛祭り茶会をするというから、よかったらいらっしゃい。」とお声をかけて下さった。
「茶会」といわれて何をするのかまったくわからなかったが、御主人の気さくなお人柄もあり、当日お邪魔する事をお返事した。
当時初めてお会いした先生の印象は、今とまったく変わらない。
朗らかで、「私も先生のように年を重ねたい」そんな風に思えるお人柄だった。
父と二人だけの生活が長い事あり、母親から教わるような御作法や気配りが、自分には足りていないのでは…。そんな事を思っていた頃に、先生と出逢い、「茶道」という存在を知って、入門を決めた。
師でもあり、母親のような存在の先生から教わったひとつひとつの事は、今の自分にとって計り知れないかけがえのない財産だ。
青年部に入る事を勧めてくれたのも先生だった。
単位青年部での活動やブロックの行事は、それまで自分が苦手に思っていた事や出来ないと思っていた事、その壁を乗り越えるきっかけを与えてくれ、今に導いてくれたと思う。
「茶道は自分にとって何なのか。」
「なぜ茶道を続けているのか。」
先生が勧めて下さった本にあった一文だ。
この言葉と向き合いながら、
そして自分なりの答えを見出せるように、
これからもお茶と関わっていこうと思う。