No.72「年満月」
〜 部長コラム 〜
部長コラムNo.72「年満月」
2016年も暮れてゆきます。
皆様にとって、今年はどのような一年だったのでしょうか。
忙しない毎日の中でも小さな嬉しいこと、小さな悲しいことがあったり。また、誉められるときもあれば、貶されるときもあり…。
思うように物事が進まないとき、自分が置かれた環境のせいにしたり、他人のせいにしたり、あるいは自分の能力にあきらめの気持ちを持ったりしていませんか。どこか、出来ない言い訳を探していませんか。
そんなとき、心の声に耳を澄ましてください。
まずは携帯やパソコンの電源を切ることから始めてみるのもよいかもしれません。
溢れる情報や慌ただしい人間関係を遮断すると、自分の心の声に気づきます。
【黒風吹不入】(黒風吹けども入らず)
これは、10年前のL・T出向員研修の折に、お家元から与えられた禅の言葉です。
逆風に揺れることなく、順風に有頂天になることもない、いわば大木の強さと柳のしなやかさを併せ持つ心境。
心の声に素直に耳を傾けて、さまざまな気づきをいただくことができれば、去年よりも今年、昨日よりも今日...少しでも成長していることの証かもしれません。
青年部でのさまざまな出会いをいただき、数多くのご縁の中で生かされていることを感じました。考え抜く体験、悩み抜く力、私たちがささやかな幸せを感じる心を育む場であるようにも思います。
明日の蕾をもっている青年茶人のみなさま、
どうか、一年の締めくくりの月を、満ち足りた思いで過ごせますように。
毎日毎日、いろいろなことに気づきながら、まるで雲ひとつない青空のように、麗らかでのびやかな気持ちで過ごせますように。
これから続く長い歳月、ずっとずっと、前を向いて、自分を信じて、歩み続けられますように。
遙かな大空の彼方からエールを送ります。