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No.56「徒然なるままに」

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〜 コラム 〜

No.56「徒然なるままに」




図らずも部長を拝命して折り返しが過ぎました。
僕の茶道人生の中に「部長」の二文字は、当初というか一昨年の秋までは存在しておりませんでした。
45歳を過ぎた時点で「もう役員はやらなくてイイんだ!」という安堵感で、御稽古を始めさせて16年目に「茶名」を頂戴し、御家元の指導方針である社中重視の生き方にスイッチを切り替えたばかりでしたが・・・。
しかしながら、部長を御受けした事により、ブロックの中で新たな御縁を頂戴し、素晴らしい仲間に恵まれ、ブロック45周年行事という貴重な経験も積まさせて頂き、今は「感謝」の気持ちでございます。
が、自身がこの1年を振り返った時、新たな疑問や未来への不安も浮かび上がって参りました。
それは、当支部のように小規模な青年部では、どちらの支部でも問題になっているかと存じますが、僕のように45歳を過ぎてからの部長が、仕事・家庭・世間の御付き合い・茶道を両立させようと思うと先ずネックになるのが親の介護問題です。
子育て世代の会員さんでも同様です。
あまりにも茶道にのみ傾倒して、仕事・家族等を顧みなければ、当に本末転倒です。
そういう意味では、行事が多過ぎるのでは?という疑問が湧いて参ります。
ブロック役員を務められていらっしゃる方々も御負担を考えると・・・。
家庭が有って、仕事が有って、御近所やPTAの御付き合いを全うして、初めて趣味の時間が持てるのではないでしょうか?
少子高齢化の今日、大都市圏以外の地域では、会員増強は年々困難になって来るものと思われます。
事実「ホッとする時間が欲しくて・・・」とか「日々の忙しさを忘れる時間が欲しくて・・・」という気持ちで茶道を始めた方には、「青年部活動は荷が重過ぎる・・・」「仕事以外で、何でこんな忙しい思いを・・・」等の理由で、大好きな「御茶の世界」を断念された方々を多く見て参りました。
又、「あまりにも行事が多過ぎて・・・、でも御茶が好きだから・・・」と他流派に移られた方々もいらっしゃいました。
そういう方々の「心」を救うのも、本来の茶道の「心」なのでは思う次第です。
そう考えると、大都市圏の大規模な青年部は別として、小規模な青年部の若い会員さん達の負担軽減を考えなければいけない時期に入って来てると思います。
全国一律の行事ではなく、その地域・地域に合った青年部作りが肝要かと・・・。
又、現在の行事日程を遂行される場合、スケールメリットを考え、支部及び青年部の統廃合も視野に入れて行くべき時代に突入しているのではないでしょうか?
受験シーズンの今、公立高校の倍率が良き例です。
札幌圏の高校は、軒並み定員オーバーですが、過疎に喘ぐ地方に目をやると、定員の半分にも満たない高校も数多ございます。
過疎地域の公立高校では、毎年のように定員削減や統廃合が話題に上ります。
いずれ、そういう地域では支部の存続も困難になって来ると思われます。
そうなる前に、手遅れになる前に、何らかの方策を考えても良いのではないでしょうか?
現在、政府が進めている「地方創生」は、これからの日本の人口減少問題の根本治療にならない事は自明の理です。
単なるパイの奪い合いを助長してるに過ぎないのですから・・・。
それよりも、「コンパクトシティ構想」同様の生き方を模索するべきでは・・・と考える次第です。
以上の事は、日常の仕事や社中に於ける御稽古だけの日々では思わなかった事かと思われます。

部長を拝命し、6割強の30歳未満の会員さんを各親先生から御預かりさせて頂いている立場であるからこそ、考え得る事かと思われます。
こういう考え方を持てただけでも、御受けした甲斐があったなと思います。
学生の会員さんには社会人になっても、又若い会員さんには将来良き御縁に恵まれ家庭を持たれた後も、御家族の御理解を得る事によって、円満に御稽古を続けて頂きたいという願いでございます。
先ずはこの残り1年、任期を全うし、若い会員さん達が「夢」と「希望」を持てる青年部になるよう、そしてその礎になれるよう心掛けたいと存じます。
徒然なるままに書かさせて頂きましたが、御無礼な点には平に御容赦願い、これにて筆を置かさせて頂きます。
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