No.166「実は」
〜コラム 〜
コラムNo.166 「実は」
実は子供のころバレエを習っていた。
今はそんな事を言えない様な体型になってしまったので、私に残っているバレエの面影は点前に時々出てくる大げさな動きぐらいである。綺麗な姿勢は維持しておきたかったが、筋力が衰え見る影もない。
そんな私の通っていた教室では更衣室に『レッスンに来る時はお洒落をしましょう』と貼り紙をしていた。お洒落でバレエが上手くなるわけでもないのになんて思いながらいつも着替えていた。服装に興味がなかったわけではないと思うが、女子力が高かったわけではないので残念ながらバレエもお洒落も上達しないまま中学生で辞めてしまった。
お茶をしていて魅力的な人に出会うことが多々ある。
素敵だと思うところはその時によって違うが、魅力的な人には雰囲気がある。そんな時はこの人と一緒に何かをしてみたいなと思う。お茶であれば茶席であったり、青年部活動であったりなどなど。自分もそんな人になりたいなと思うが、思うだけでなかなか難しい。
今はバレエを習っていた時の倍以上生きているので、自分を表現することに色々なことが必要だと知っている。一緒にお茶をしてみたいと思ってもらえる青年茶人になるためにはもっと学び、もっと自己を表現していかなければいけない。あの更衣室にあった貼り紙が表現者として個性を出すために必要なことを優しく教えてくれていたのだとすると、私はまずその基本から始めないといけないのかもしれない。