No.168「心はつながっている」
〜コラム 〜
コラムNo.168 「心はつながっている」
あるテーマを考えているときに「千里同風」ということばに出会いました。
四字熟語としての意味は「世の中がよく治まっていて平和であること。逆に世の中全体が混乱していることをいうときもある。」とのことですが、禅語としては「言葉を介さなくても心はつながっている」との意味になるそうです。
これを知ったとき、まさにコロナ禍にある今のことを端的に表しているのではないかと思いました。
コロナ禍に見舞われて世の中全体として、落ち着かいない日々。今までの生活様式を変えなければならず、普通に会話を楽しんでいたことがマスクやアクリル板を隔てた距離をとらなければならない状況。たしかに戦乱は起こっていないけれども、世の中全体は混乱の中にあるのではないかと。
一方でオンラインでの会議やお茶会もできるようになり、逆に遠方にいる方と気軽に話せる機会が増えたことも事実です。
私は田舎に住んでいるので、仕事やお茶でも東京や京都の本部主催のオンラインの行事にはなるべく参加するようにしています。これはある意味ではコロナ禍のおかげであるとも言えます。このような行事に積極的に参加できるのは遠くの人とも心はつながっており、同じ志を持った同志がいるからこそ参加できるのです。
コロナ禍になったことがすべて悪いことになるのではなく、新しい価値観を創造するさなかに自分はいるということをいま実感しています。その中でも変わらない価値観もあり、改めて大切にしていくこともあるのだと気づきました。
「千里同風」を胸に、絶え間なく変化する世の中に大切なものを見極めながら、また新しいものを取り入れて、日々精進することが肝要であると感じる今日この頃です。