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No.183「記憶」

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〜コラム 〜

No.183 「記憶」



先日、3年ぶりにお稽古に顔を出しました。炉のお濃茶で点前を覚えているか、道具を扱うことができるか。水屋から道具を運び出す度に指先が震えました。

しかし、すべての道具を点前座に置いて息を整えると不思議と指の震えは止まっていました。3年という短いとは言い難い期間の空白がありましたが、身体が覚えていてくれたのか、自然に動くことができました。
子どもの頃になんとなく覚え、学生時代に真面目に取り組んだ3年。もちろん、茶道歴はまだまだですが、一所懸命茶道と向き合ったあの頃が無駄ではなく、自分の中に根付いていることを感じることができた出来事であり、とても嬉しかったです。

まだまだ本格的な復帰は難しいですが、頑張った経験のあるものはどんなに離れた期間があっても自分の中から消えないことがわかり安心すると同時に、だからこそまた頑張ろうと思えました。
当分の目標は道具に指が馴染むようになることです。茶道を一番頑張っていた頃のように早くなれればいいなと思いながら次のお稽古を待ち侘びています。

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