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No.73「追憶」

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〜 部長コラム 〜

部長コラムNo.73「追憶」



 IMG_5475松の内は過ぎましたが、今年度のコラム第一弾ということで…。
あけましておめでとうございます。この一年も皆様にとって良い一年となりますよう、心より祈念申し上げます。

 昨年12月、全国代表者会議ならびに部長予定者研修会が京都で行われました。今回の研修はそれぞれの部長の皆様からお話を伺っていることかと思いますが、グループディスカッション形式で、全国の部長の皆様と理想のリーダー像等について熱い議論を交わしてきました。茶道は「非日常」を楽しむものというよりは、「日常」を豊かにしてくれるものであるとの思いを胸に、皆が笑顔で活動できるよう務められれば、と決意を新たにした次第です。

 とはいえ、せっかく京都に来たのだから…と観光もしました。大徳寺黄梅院の秋の特別公開が丁度12月4日まででしたので、会議終了後に大徳寺まで足を延ばしました。凛とした静けさの中、紅葉散る庭を眺めるなどしておりましたら、運良く小林太玄師がいらっしゃいまして、一筆いただくことができました。
「母の背で 月に兎の すむといふ 物語きく 過去のなつかし」
追憶と題された一編が書かれるのを見て何故か涙があふれて仕方ありませんでした。愛情をもって育ててくれた母を、両親を大事に、とお言葉を頂戴し、差し出された手はすべてを包み込むような温かさでした。幸いなことに両親とも健在ではありますが親孝行な娘であったか、と問われると難しいところです。大学進学を機に地元を離れ、今では当地で過ごした年月の方が長くなってしまいました。年に数回帰省し、元気な顔を見せるだけでも孝行となっていればよいのですが。

私がお茶を始めたのは大学の茶道部がきっかけですので、実家を離れてからの出来事です。私がお茶を習っていて、青年部の活動をしていることは知っていますが、実は、今まで両親に一盌をあげたことがありません。春になり車で気軽(片道3時間弱かかりますが)に帰れるようになりましたら、数年前にデパートの催事で購入したまま仕舞い込んでいた茶籠セットと当地のお菓子お土産に積んで帰り、両親にお茶を楽しんでもらおうか、と考えを巡らせているこの頃です。