No.221「ひっそりとツユクサ」
〜コラム 〜
No.221「ひっそりとツユクサ」
今年ひそかに嬉しかったことは、田んぼの脇にツユクサを見つけたことです。
私は最寄りの駅から職場まで徒歩で通っています。時間は10分たらず、周辺にはのどかな田園風景が広がり、初夏に植えられた早苗が黄金色の稲穂へ育っていくのを見ることが通勤の楽しみでした。今年はこれに加えてまた1つ新しい楽しみが増えました。
それは道端の植物を見ることです。
田んぼの脇をよく見ると、様々な植物に気づきます。エノコログサやスズメノカタビラ、そのよく伸びる背の高い植物に混じって、ひっそりと佇むツユクサ。他にも色鮮やかなアザミやコヒルガオなど。最近はタデも咲き始めました。去年も同じ道を歩いていたのですが、気がついたのは今年から。名前のわからない花も沢山咲いていて、あれもこれも名前が気になりはじめ、そうなると今度は茶花として入れられるかなんて疑問も湧いてきます。
もしお茶を習っていなければ、道端の花に気づかないままだったと思います。もちろん見つけた喜びにも。習い始めた当初はお花に関して興味をさほど持っていなかったように記憶していますが、今では拝見の楽しみの1つになっていることが自分でも不思議です。
お茶を習う理由、続ける理由、友人に問われて答えられないことが何度もありました。今なら何か伝えられるかもしれません。