No.165「茶道の公式の使い方」
〜コラム 〜
コラムNo.165 「茶道の公式の使い方」
コラムの執筆をお願いされました。
何を書こうか、面白い話はないか、読んでくれた人に役立つ話はないか、自分を良く見せる話はないかと、下心を隠しながら悩んでいましたが、空っぽの頭の中からは中身の無いどうでもよい話ばかりが出てきてどうにもなりません。
下心を隠していたのがいけなかったのだと思い、下心をこうやって書いてみましたが、空っぽなことに変わりはありませんでした。
もっと勉強しないといけないなとつくづく思います。
勉強といえば、
茶道は、学校の数学の勉強と似ているなと思うことがあります。
青年部行事や役員会議などの時に「ことば」を唱和しますが、
私は『私達は茶道の真の相を学び・・・』と言いながら時折、「茶道の真の相」とは何だろうと考えます。
点前の綺麗さや各種の点前手続きや道具の扱いを全て覚えるという事だけではない、外側だけではなく内側が大事なのだろうと思うとき、ふと数学の勉強のことを思い出すのです。
学校で教わる数学は、社会に出て使うことはほとんどありません。
三平方の定理や2次方程式の根の公式を仕事で使うという人はあまりいないと思います。
ではなぜ数学を学ぶのかというと、数学的な頭の使い方をできるようになる為に学ぶのだと私は思います。
公式やその暗記が大事なのではなく、その公式に至る過程でどういう考え方をしたか、あるいはその公式はどの問題に使うことができるのか、そういった考え方使い方が大事なのだと思っています。
茶道も考え方や使い方が大切ですよね。
もちろんお点前の所作や手続きはとても大切ですが、
例えば、お客様が家に来たとき、毎回お点前を一から見せるのが良いということではないでしょう。
茶道のカタチや本来を身につけてなお、家にお客様が来たときに、コーヒーや紅茶を出すようにスっとお抹茶を出せるような、それでいてそこにしっかりと気持ちが込められている一碗を出せるようになりたいものです。
茶道の「真の相」がどういうものなのか分かるためには、私には修行が足りていない事は自覚しているのですが、まだまだ先は長いと感じます。
成長する為に、もっと勉強しないといけないなとつくづく思います。