No.60「東日本大震災から5年たって」
〜 部長コラム 〜
部長コラムNo.60「東日本大震災から5年たって」
5年前の3月、京都で開催された青年研修会を終え、ほどいた荷物も片づけ終えたころに当地でも異常に長い揺れが起きました。
北海道でも大きな地震の発生はこれまでもありましたが、今までに感じたことのない長い揺れに不安を感じ、すぐにテレビをつけました。
それから連日テレビ・ラジオは震災のことばかり。CMは同じようなものばかり流れ、ラジオからは元気づける曲が流れ、節電のため急に薄暗くなった街並みにすさんだ気持ちにもなりました。
被災地に駆けつける医師や看護師、自衛隊やボランティアで現地に向かう人々を目の当たりにして、何の資格もなく、海を隔てている北海道では遠くて駆けつけることもできない、何もできない不甲斐ない自分に心を痛め、茶道をしていていいものなのか、茶道に何の意味があるのか思い悩みました。
同じ日常を繰り返していく中で、いつか東北の方々がお茶をおいしいと味わってくれる日がくるだろうから、その時に美味しいお茶を提供できるように続けていこう。いつか東北の方々を癒し励ますお茶会ができる日がくると信じ、お稽古に励みました。
お家元様から最大の機会をいただいた「ナショナルコンファレンス2016inいわき」では、お家元様の強い思いや覚悟を受け止めて復興支援に励むとともに、5年前に感じた心の痛みから解放される機会になるようにしっかりと東北の土を踏みしめて現在の東北の姿を目に焼き付けてきたいと思います。
青年研修会でご一緒した仲間とは震災の当時から安否確認でメールのやりとりが始まり、現在でも仲間関係が続いております。この度のナショナルコンファレンスでも再会できるのでそれも楽しみの一つです。
お家元様からいただいたご縁に心から感謝しております。