No.160「十牛図」
〜コラム 〜
コラムNo.160 「十牛図」
今年初めての御茶を十牛図のお茶碗でいただきました。
丑年ということもあり、先生が初稽古の際に用意してくださっていたのです。
この「十牛図」の存在を最初に知ったのはまだ学生の頃、十牛図をテーマにされたお茶席でご亭主のお話をお聞きした時のことです。お席を出たところに飾ってあった10枚のシンプルな絵がとても印象的でした。
十牛図とは悟りにいたる10の階段を解りやすく表したものですが、若かった私は真の自己とは何かということよりも、単純に目標に向かってやるべきことを10個決め、一つ一つ終わらせていくことで目的が達成しやすくなるのではと考えました。
まずやるべき事、やらなければならない事を10項目書き出し、リストを作ります。
書き出すことで頭の中がシンプルに整理され優先順位やスケジュールも立てやすくなります。完了したらチェックを入れていくことで進捗が確認でき、達成項目が増えると成果が目に見えて更なるモチベーションにつながります。
項目は10くらいがちょうど良いのです。少ないと達成感がなく、多すぎるとやりきれずがっかりしてしまいます。
この方法は社会人になってからは特に役に立っています。
目指すところを明確にし、やるべき事を具体的に把握することは日常生活や仕事、青年部活動を行う時に物事をスムーズに進める上で非常に有効です。そして忙しい時ほど効果的なのです。
新しい年が明け本格的な日常が始まり、もう一月がたちます。
毎日の小さな努力の積み重ねが自分の成長のプロセスになることを意識し、時々は十牛図のように自分を見つめ直し、人として一生涯成長していくことにも目を向けつつ今年一年を過ごしていきたいと思います。