No.127「入口」
〜コラム 〜
コラムNo.127「入口」
早いもので今年も半分を迎えようとしています。近年では五月病に引き続き六月病という言葉もあるようですが、皆様におかれましては無事にお過ごしでしょうか。
私が茶道を始めたのは大学生の時、研究室の先輩からの「お茶とお菓子あるから茶道部入らない?」という勧誘がきっかけでした。その後、大学の所在地に就職し、ようやく仕事に慣れたその年の冬から部活で師事していた先生の元へ通うようになりました。
なぜ、唐突にこんな身の上話を始めたのか。当青年部は実に全体の2/3が青年部歴5年以内、その半数以上は茶歴も5年以内(学生含む)という内訳となっています。部活がきっかけでお茶を始め、その時ご指導いただいた師匠の元に通い出した、いわば「茶道への入口」が分かりやすい身としては、皆がどうしてお茶を始めたのか、そして、現在の師匠にどうやって辿り着いたのか・・・?単純に気になり、質問したことがありました。
始めたきっかけとしては、「海外の方と接する機会があった際、自国の文化を知らない自分を恥ずかしく思った」「着物が好きで、お茶だと着る機会もあるし所作や礼儀なども学べると思った」「身近にいる茶道を嗜む方の人柄が素敵だった」など色々な想いで溢れていました。
では、どうやって今の師匠に辿り着いたのか。「新聞の文化教室の広告をみて」「お茶の先生が知り合いだった」「友人のお母様がお茶の先生だった」「実家の向かいがお茶の先生のお宅だった」「電話帳で探した」など様々なルートで師匠に辿り着いており、訊いていて興味深かったです。
さて。お茶を始めてそれなりの年数が経つのですが、尋ねられると些か困ると密かに思っているのが「お茶の先生を紹介して」とお願いされること。平日・土日、日中・夜間・・・趣味に充てられる時間帯が多種多様な現代です。正直なところ、どの先生が何曜日のどの時間帯にお稽古をしている、という情報が乏しい中、自分の師匠のお稽古時間では都合悪い場合に、では別の先生・・・どの先生だと通えるの?となりはしないかと。
勿論、裏千家HPで道場案内もしておりますし、文化教室を担当する先生もおられます。青年部会員の中には試行錯誤しながらSNSで発信する者もいます。でも、もう一声、地元の中だけでもお稽古場を設けている先生が分かる仕組みが整うと誘いやすさも増すのではないかしら、と思う昨今です。