No.89「茶道具の取り合わせについて」
〜 連載 学び舎〜
No.89「茶道具の取り合わせについて」
茶会がこれまで通り開催されるようになり、改めて茶会を開催する際の茶道具の取り合わせについて考えてみました。最後には、取り合わせを決める方々の感性になるかもしれませんが、一定の基準のもとで進めていくと、より良い取り合わせを決めることができるのではないかと思います。
まず、
『テーマを決める』
テーマは、茶会のテーマであり、四季や物語、慶事等。開く茶会がどういったものかで、テーマが変わってきます。テーマによって、使用する茶道具も変わってきますので、このテーマ決めはとても大事な部分になります。
『茶道具の選定方法』
同種のものは極力使わないこと。同じ産地や同種の物を使ってしまうと、平坦な取り合わせになってしまうため、できるだけ避けたほうがいいとのことです。お客さんの人数によって、茶碗の種類や、茶碗を出す順番を考慮することで、お客さんにいろんな茶道具を楽しんでいただくことができます。
また、さらに考慮すべき点は、「格」と「色」のバランス。参考資料のように、茶道具の取り合わせは、コーディネート。そのため、できるかぎり、格を近づけ、色のバランスを保つことが必要です。そのバランスをとる中で、どの茶道具を引き立たせるのか、主役はどの茶道具なのか、お客様に何を伝えたいのか、そういったことを考えながら、取り合わせを決めていくと、亭主らしい、取り合わせとなりそうです。
格については、持っている道具にもかぎりがあり、絶対ではありません。
色のバランスについては、「足し算」、「引き算」の考え方が記載されていました。好きな茶道具ばかりを選ぶと、どうしても色が偏る可能性があります。その際には、「足し算」、「引き算」の考えでバランスをとることができます。
多くの方々は、色や大きさ、格などのバランスを感覚的に行ってきているかと思います。その感覚で行ってきたことを、言語化することで、多くの方々が取り合わせにかかわることができ、より良い茶席になるかと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
取合せを考える|原田茶具商店 (e-chadougu.com)
抹茶碗の色や格の取り合わせやバランスを茶道初心者に京都の陶芸家が解説 (hseito.com)