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No.42「喫茶養生記」

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〜 連載 学び舎〜

No.42「喫茶養生記」



喫茶養生記は、鎌倉時代に栄西禅師が在宋中に見聞したり経験した茶の栽培法、飲み方、採取法、効能等を記し、その他に桑の飲み方効能を記している養生書で、現代でいう健康本です。
こんな出だしで始まるのは有名ですね。

『茶は養生の仙薬なり。延齢の妙術なり。(中略)・・・其の一期を保つの源は、養生に在り。五臓を安んず可し、五臓の中心の蔵を王とせむか。心の臓を建立するの方、茶を喫する是れ妙術なり。厥れ、心の臓弱きときは、則ち五臓皆病を生ず。』

これをわかり易くいうと、

『茶は養生の仙薬であり、長寿のための妙薬である。(中略)・・・一生を健康に保つ源は養生にある。養生は五臓を健全にし、五臓の中でも心臓が一番大事である。心臓を健全にするには、茶を飲むのが一番の妙術である。心臓が弱いと、五臓の全てが病を起こす。』

というところでしょう。

この中に「五臓」という言葉が出てきます。さて、五臓とはどこを表すか知っていますか?
答えは「肝臓・心臓・脾臓・肺・腎臓」の5つです。
ではなぜ、心臓を健康にするのにお茶が良いとされたのでしょうか。

そこには中国の思想が深く関係しています。
中国の古い経典の中に『肝臓は酸味を好み、心臓は苦味を、脾臓は甘味を、肺臓は辛味を、腎臓は鹹味を好む。』と云うものがあるそうです。ちなみに「鹹味(かんみ)」とは塩辛い味です。
この「酸・苦・甘・辛・鹹」の5つを「五味」といいます。
そして五味は「木・火・土・金・水」の考えからなる五行思想からなる概念でもあります。中国では古くから五行思想が広まっていました。

話を戻して喫茶養生記では、心臓を健全にするにはお茶が一番だと言っています。心臓は苦味を好む。しかし、当時の日本人は苦いものを摂取する頻度が低かったのです。
したがって栄西禅師は、お茶を飲むことで日本人の足りていない苦味を摂取して心臓を健康にできると考えたのでしょう。

本当にお茶で心臓が健康になるのかはわかりません。
ただ、お茶を日常的に飲んでいた栄西禅師は、当時の平均寿命が24歳くらいだった鎌倉時代に、74歳まで生きた超ご長寿だったそうですよ。