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No.58「掛け軸のマメ知識」

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〜 連載 学び舎〜

No.58「掛け軸のマメ知識」




№55でも「軸について」連載していますが、その掛軸について表具師 冨岡泰雅堂 3代目の冨岡真典氏から『掛け軸の歴史』『取り扱い』『観賞ポイント』や『掛軸のできるまでの工程』のお話を聞く機会がありました。

今回は、そのお話後の質疑応答で興味深かったものを取り上げたいと思います。



◆Q1.どの位古いものまで修理しているのでしょうか?


◆A1.約50~100年のサイクルで修復されています。800年前のものであれば最低でも8回はされています。



◆Q2.掛軸の各名称や役割を説明して頂きましたが、「風帯」はなぜあるのでしょうか?
◆A2.平安時代~中世の貴族の住宅の「寝殿造」は、通気性のよい開放的な造りをしていたため鳥や虫が室内に入ってきやすい環境でした。当時は、米などでできた“デンプン糊”を使用していたため、鳥に突かれたりしないようにする“鳥避け”として風でなびく「風帯」が付けられたとも云われています。現在は、その名残で装飾として残されています。

◆Q3.①保管方法についてと②長期使用していない場合は出した方がいいのでしょうか?


◆A3.①昔は、気密性が低い「桟蓋箱」で経年や環境によって蓋が反って隙間ができてしまい、そこから虫が入ってしまいました。現在は、気密性が高い「薬籠蓋(=印籠蓋)」となり、桐も呼吸をして湿度調節しているので、そのまましまっておいて問題ありません。防虫剤もいれる必要はないです。
②出す必要はありません。それよりも仕舞う日や時期が大切で、雨の日や梅雨の時期に仕舞うと湿気を含みシミの原因になってしまうため、晴れた日に2~3日間掛けてから仕舞うことが大切です。

◆Q4.裂地はどこから仕入れているのでしょうか?
◆A4.西陣で表装用裂地のお店があります。着物や茶道具の裂地は厚く、掛軸は巻くので薄いものが必要になります。



◆Q5. 掛軸の折れやシワがあるものはどうしたらいいでしょうか?


◆A5. 修理に出して総裏打ちというものをしないといけないです。箱に押して仕舞ったり、巻き方がきつかったり、落としたりにはとても弱いので、その扱いには注意が必要です。



恥ずかしながら、いつも席中では御軸に書かれている言葉しか拝見できていませんでした。今後はさらに表装にも注目をして御軸全体を拝見したいと思います。お茶会やお茶事ができる日がくるのが待ち遠しいです。
私はこの講義を受けてさらに深掘りしたくなりました。これが茶の湯が総合芸術と云われる所以なのですね。一歩ずつ…歩歩是道場で今日も過ごしたいと思います。

tomioka-taigadou
提供  冨岡泰雅堂