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No.63 「炭について」

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No.63  「炭について」




利休七則にある「炭は湯の沸くように置き」と云うように、炭手前をする際は、次に濃茶が美味しくいただけるよう役割を果たさなくてはいけません。
炭は、手を使い行うものなので、「手前」といいます。
お茶をいただく際は「点前」といいます。
そこで、炭についてお話させていただきます。

≪炭の種類について≫
風炉や炉につぐ炭で、炭手前に用いる炭を道具炭といいます。

胴炭:炭手前の中で最も大きなもので、初炭手前に使います。
【風炉 長さ 四寸(約12.1㎝)・径 約一寸五分弱(約4.6㎝弱)】 1本
【炉  長さ 五寸(約15.2㎝)・径 約二寸三分弱(約7.0㎝弱)】 1本
丸毬打:古来の遊戯である毬打に見立てた呼び名と言われている。胴炭、管炭の半分の長さ。
【風炉 長さ 二寸(約6.1㎝)・径 約七~八分弱(約2.1~2.4㎝弱)】   1本
【炉  長さ 二寸五分(約7.6㎝)・径 約一寸五分弱(約4.5~4.8㎝弱)】 2本
割毬打:丸毬打を縦半分に割った炭。
【風炉 長さ 二寸(約6.1㎝)】   1本
【炉  長さ 二寸五分(約7.6㎝)】 1本
丸管:管状をしていることからの名所です。胴炭と同じ長さの細い炭。
【風炉 長さ 四寸(約12.1㎝)・径 約五分~七分弱(約1.5~2.㎝弱)】   1本
【炉  長さ 五寸(約15.2㎝)・径 約一寸七分~八分弱(約5.2~5.5㎝弱)】 1本
割管:丸管を縦に半分に割った炭
【風炉 長さ 四寸(約12.1㎝)】 1本
【炉  長さ 五寸(約15.2㎝)】 1本
止炭:丸管の半分の長さの炭。 炭手前の最後につぐ炭で点炭とも添炭とも言う
【風炉 長さ 二寸(約12.1㎝)・径 約七分弱(約2.1㎝弱)】 1本
【炉  長さ 五寸(約15.2㎝)・径 約一寸弱(約3.0㎝弱)】 1本
輪胴:後炭手前に用いる炭。胴炭と同じ役割をする。胴炭の半分くらい長さですが、胴炭より太いものが多い。
【風炉 長さ 一寸五分(約4.5㎝)・径 約一寸7分弱(約5.2㎝弱)】 1本
【炉  長さ 二寸(約6.1㎝)・径 約三寸(9.1㎝弱)】       1本
枝炭:躑躅の枝などを焼き、胡粉を塗って白く化粧した炭。景色炭として、火の導火線としての役割。
【風炉 長さ 五寸(約15.2㎝)】初炭 3本 後炭 3本
【炉  長さ 六寸(約18.2㎝)】初炭 5本 後炭 3本
など、いつも目にしている炭ですが、役割や、漢字、長さなど知らないことがたくさんあるかと思います。

利休百首の中の「炭おくも習ひばかりにかかはりて 湯のたぎらざる炭は消え炭」というように
湯を沸かし、美味しい濃茶をいただくための修練を積みたいです。

参考資料
裏千家茶道 点前教則4「炭手前」