No.66 「風炉先屏風について」
お茶会で「風炉先は何のためにあるのですか?」と質問されましたが、うまく答えることができず調べてみました。
◎風炉先とは
風炉先と呼ばれることが多いですが、正式には「風炉先屏風」と言い、道具畳の向こうを囲う二枚折屏風のことです。一般的には広間の席で道具畳にけじめをつけるためや、二方が襖または障子になっている場合に用いられます。一方または二方が襖または障子の場合には低い風炉先を用いることがあります。そのため四畳半以下の席でよくみられる、廻し壁や点前明かりの窓のある席には、風炉先は使いません。
◎風炉先の大きさ
利休形・・・高さ:2尺4寸 横:3尺5分、白の鳥の子紙に蠟色縁が施されている
宗旦好・・・利休形より少し低い。 高さ:1尺8寸
現在は宗旦好を使うことが多いですが、台子を用いるような格の高い点前や棚を点前座に据えた場合などには、棚より低い風炉先よりも背の高いものの方が合います。
◎風炉先の種類
高さや表具、形、縁の素材など、さまざまな種類があります。利休居士が好んだ利休形のほかに、歴代御家元のお好みによる裂地や紙の美しい風炉先が作られています。
風炉先は風炉用・炉用の区別はありませんが、生地や透かしのあるものは夏季の取り合わせに合います。
最近はコロナ禍でなかなかお茶会が開催されませんが、開催された時には風炉先の裂地や作りなど拝見するのも一つの楽しみとなりそうです。
参考資料 実用 茶道具のあつかい③ 淡交社