No.50「月と旧暦」
〜 連載 学び舎〜
No.50「月と旧暦」
現在、私たちがカレンダーをみて確認する日にちは「太陽暦」です。
「太陽暦」とは地球が太陽の周りを一周する時間を一年とする暦(こよみ)ですが、
「太陽暦」が採用される以前は、月の満ち欠けを基準とした「太陰暦」が使われていました。
「太陰暦」(正しくは太陰太陽暦といいます)は「旧暦」とも言われます。
空の月が新月になる日を月のはじめとして、次の新月までの約30日を1ヶ月とする考え方です。
月が全く見えない新月は「朔(さく)」とも言われ、毎月一日は「朔日」と呼ばれました。
新月から徐々に月が見え始め、3日後に「三日月」、15日後に満月となりこれを「望(もち)」あるいは「十五夜」、30日経って月が見えなくなる日を「晦(つごもり)」といい、月隠(つきごもり)が変化してこう言われたようです。
12月の最後の日が「大晦日(おおみそか)」と言われるのは、この「晦」という言葉から来ているんですね。
さて、みなさんは「三日月」がどちらを向いている月かわかりますか?
右側が弧に光っている?左側が弧に光っている?
月は新月の見えない状態から、右側から徐々に見え始めてきます。
なので正解は、「三日月」は右側が弧になっている月のことです。
また、旧暦の八月は「中秋(ちゅうしゅう)」と呼ばれました。旧暦では七月・八月・九月が「秋」とされ、八月が秋の真ん中なので「中秋」となります。ですから「中秋の名月」とは旧暦の八月一五日の月のことで、それを今の暦に当てはめて考えて、今年の中秋の名月はいつという風に決まっているんです。
お茶のお道具にも月の文様が使われているものや、銘に月の名が付いているものが沢山あります。
作者がどんな月を思い浮かべ作ったかを想像するのも楽しいかもしれませんね。
では最後に月の呼び名を紹介します
朔(さく) =第一日目
二日月(ふつかづき)
三日月(みかづき)
上弦の月(じょうげん)=第七日・八日目
十三夜(じゅうさんや)
小望月(こもちづき) =第十四日目
望(もち)=十五夜
十六夜(いざよい)
立待月(たちまちづき)=第十七日目
居待月(いまちづき) =第十八日目
寝待月(ねまちづき) =第十九日目
更待月(ふけまちづき)=第二十日目
下弦の月(かげん) =第二十二日・二十三日目
晦(つごもり) =第三十日目