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No.18「夏の花」

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〜 連載 学び舎〜

No.18「夏の花」




 日本の豊かな四季、すなわち春夏秋冬を感じる機会はたくさんありますが、その移ろいを最も敏感に教えてくれるものに花があります。茶花に限らず、あらゆる植物が最盛期を迎える夏。様々な花が、とても元気に一段と美しく感じられるこの季節です。さて、皆さんは夏の茶花といえば何を思い浮かべるでしょう。朝顔、昼顔、オカトラノオ、風船葛、半夏生、等々。そして、何と言っても夏の代表格、木槿がありますね。「冬はツバキ(椿)、夏はムクゲ(木槿)」と言われるほどの花材です。
木槿は、奈良時代に中国から渡来したといわれています。その後は、茶人の好みを表した「宗旦木槿」や「遠州木槿」、京都祇園祭に使われた「祇園守」など、さまざまな場所で日本人に愛されてきました。木槿は一日花であると思われていたため、「一期一会」の儚さが魅力の一つだったのでしょう。余談ですが、実際はたいていそのまま開花し続け、一重のもので二~三日、八重の長く咲くもので二週間くらい一輪の花を楽しめるようです。
このように多くの日本人に愛されてきた木槿は、それゆえまた、多くの俳人、歌人に詠まれてきました。以下に、そのうちの三つを御紹介します。
「道のべの 木槿は馬に くはれけり」 
 松尾 芭蕉
「それがしも 其の日暮らしぞ 花木槿」
 小林 一茶 
「雨はれて 心すがしく なりにけり 窓より見ゆる 白木槿のはな」
斎藤茂吉

どの詩も、その一日を懸命に生き、美しいながらも、今ひととき限りの儚さを謳っているようです。

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