No.10「畳について」
〜 連載 学び舎〜
No.10「畳について」
現代生活では畳の上で生活するという機会が減ってきています。しかし茶道では切り離すことができない畳について調べてみました。
畳とは、わらを縫い固めて作った畳床をいぐさで編んだ畳表でおおったものです。
現存する畳の古いものは奈良時代の、東大寺の正倉院にある聖武天皇が使用した「御床畳」です。そして平安時代になって現代の形に近づいていきました。昔の日本では中国伝来のものが多いなかで、畳は日本固有の敷物です。
畳の大きさは関西と関東で違います。茶室の畳は基本的に関西間の京間とされています。それは6尺3寸(191㎝)×3尺1寸5分(95.5cm)の大きさで敷きつめられています。
関東間の江戸間は5尺8寸(175.8cm)×2尺9寸(87.9cm)となり少し小さいです。
茶室の畳にはそれぞれ名称があります。
炉を切ってある畳を「炉畳」。茶道口に接して亭主が茶事の際に踏み込む畳を「踏込畳」。
亭主が点前を行う畳を「点前畳」。床の間の前に敷く畳で正客が座る畳を「貴人畳」。一般の客が座る「客畳」があります。
また畳の目はお道具を置く際や座る位置などの目安になります。畳の目は、畳縁の下に隠れたものを「半目」、全部現れているものを「丸目」と呼びます。京畳の目数は、縁内丸目六十四目のものが使われるとされています。
和室の落ち着く雰囲気は、畳のいぐさの香りがリラックス効果を与えてくれること、畳が足音を吸音すること、クッション性があり衝撃を和らげてくれるというところにあるようです。