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No.28「組紐について」

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〜 連載 学び舎〜

No.28「組紐について」


 

帯締めは一般的に「組紐」と言われる手組み技法で、その起源はというと古く、中国の漢代の馬王堆墓出土の副葬品として文字を組こんだ組紐が出土していることを考えると紀元前2世紀頃にはすでに高度な組紐技術があったことがわかります。日本の実史料としては古墳時代にはすでに出土品にあるものが最古のもので、欽明天皇の時代(562年頃の頃)には仏教伝来とともに高度な組紐技術が伝えられ教典や袈裟などに使われ法隆寺や正倉院献納の宝物のなかにも数多くみられられ、その技法は今日まで伝えられています。
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↑正倉院宝物より               ↑現在のさざ波組(道明謹製より)
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↑正倉院宝物より         ↑現在の唐組                 

現在組紐を組むための道具は主に角台、丸台、綾竹台、高台がありますが、それぞれに組む物により使う組台が異なりそれに、重しのついた玉に糸を括り付け組んでいきます。はじめは角台8玉くらいから、丸台はよくご存知の方も多く、組台もコンパクトで、最もポピュラーとなっています。
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 左から角台・丸台        綾竹台

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  高台

高台のように玉数(糸の数)も増えると、組み方も複雑になり、より細やかな柄出しも可能になってきます。

冒頭でのとおり歴史は古いものの、実際にその資料となる物は少なく、主に歴史に登場するのは武士の甲冑や刀等に用いられるようになってからです。
そのなかでも、特に三重県の伊賀くみひもは有名で、養蚕に適した気候で盛んだった事とこの地方の家族制度において、必ず正座をしてとりくまなければならない手組紐はその地域の子女のしつけの一貫として取り入れられ産業の基盤として整えられていったそうです。
その後、明治の廃刀令などで一時衰退しましたが、東京から当時の粋な江戸組紐の技術を持ち帰り、帯締め、羽織紐などに活用するなどして伊賀くみひもとして、日本の伝統工芸として再び開花することになりました。
現在では、化繊糸による機械組などが安価にでまわっておりますが、やはり正絹の手組紐は締め具合と、絹糸特有のしなりが心地よくいいものです。
後廻しになりがちな「小物」ですが、色や組柄で随分と印象が変わる、重要なおしゃれポイントです。
お気に入りの一本を見つけてそれに合わせた着物のコーディネートを楽しんでみてはいかがでしょうか?


参考文献
*日本組紐古技法の研究  木村雅子著
*伝統の組紐       山岡一晴著
*伊賀くみひもの歴史