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No.27「繊細優美な截金(きりかね)について」

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〜 連載 学び舎〜

No.27「繊細優美な截金(きりかね)について」


 
 平成30年6月2日に熊本県での貫道プロジェクトに参加させていただきました。その前日6月1日に、截金作家・永田咲姫(ながたさき)氏のご指導の下、截金体験をさせていただいたため、この題材と取り上げることとしました。
 
●截金とは
 3枚から6枚重ね合わせた金箔を図形や線に截り(きり)、布海苔と膠(にかわ)を混ぜた接着剤で貼りながら文様を作っていく、仏画や仏像の装飾技法です。仏教の伝来とともに伝えられたとされています。
 「截る」という感じは平たいものを「切る」時に使うそうです。

●截金の歴史
 日本における「金の装飾」の始まりは、5世紀前後で、稲荷山古墳(埼玉県行田市)から出土した鉄剣に金象嵌(きんぞうがん)で文字が書かれています。6世紀には、きとら古墳の天文図の星に金箔(きんぱく)が使用されているなど、金の装飾芸術には古い歴史があります。
 アジアにおける「截金」の最古の遺物として百済時代の亀甲文があげられます。日本でも截金の技術の歴史は古く、法隆寺の玉虫厨子をはじめ法隆寺金堂四天王像に截箔が使用されています。飛鳥時代に日本に渡来した金銅仏は、その黄金の輝きと美しい形によって多くの人々を魅了しました。金銅製の仏教芸術は天平時代に全盛を迎えます。平安時代に仏像の素材は次第に金属から木へと変化し、金を加飾するようになります。このころ截金技法が最高潮に達します。
 室町以降は貴族の没落により、華やかな仏教美術と共に截金も衰退していきます。また、技術が卓越し、文様が細かすぎるようになると、印象が薄く文様も見えにくくなり、庶民の目に触れる機会が少なくなったため需要が減ってしまいました。
 この截金技法を復興し近代工芸に生かしたのが齋田梅亭と西出大三です。両名とも人間国宝に認定されました。

 ●所感
この截金体験では、四方盆を作らせていただきました。私自身不器用なため、繊細な作品とは程遠い出来栄えとなりましたが、貴重な体験をさせていただきました。この細やかで美しい伝統文化が衰退することがないことを祈っています。