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No.12「お菓子について」

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〜 連載 学び舎〜

No.12「お菓子について」



室町時代、武士の精神と禅宗が結びつき、武家社会を中心に茶の湯が発達しました。
千利休が侘び茶を確立するとともに、茶席の菓子も発達していきました。その頃は、木の実・アワビ・椎茸の煮物・みそを付けた餅・焼き栗等が用いられていたそうです。
桃山時代、ようやく砂糖が登場、南蛮貿易により金平糖やカステラが渡来し、茶の湯に生菓子が使われ始めました。この頃から菓子に主題と季節を織り込むようになり、今では濃茶の時は主菓子、薄茶の時は干菓子(薄茶だけの時は違う場合もあります)と亭主が趣向をこらすものになりました。
和菓子は一般的に、生菓子(水分量40%以上) 干菓子(水分量20%以下) 半生菓子(中間)の三つに分類されます。材料・工程により、数え切れないほどの種類があります。

 ~主菓子~
〈餅菓子〉
お餅を原料として作ったもの。お団子や桜餅、求肥、大福、草餅などです。
〈求 肥〉
餅菓子の一種で、白玉粉や餅粉に砂糖や水飴を加え練り上げたもの。薄くのばし白みそ餡と牛蒡を包んだ「花びら餅」はお正月に欠かせない伝統菓子です。     
〈蒸菓子〉
お饅頭など蒸したお菓子のこと。山芋などを使った物を薯蕷饅頭といいます。
〈練り物〉
着色した白餡に山芋やみじん粉等のつなぎを入れて練り、形成。花や果物、様々な形を楽しめ、「練切り」「こなし」「きんとん」もこの一種です。関西は「こなし」ですが、関東の「練り切り」は蒸しておらず、違うものという説と同じという説があるようです。
〈錦 玉〉
砂糖・餡などを使った寒天のお菓子で、透明感があり主に夏に使われます。
〈竿 物〉
羊羹に代表される長いお菓子で、自分で切っていただくものです。

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 ~干菓子~
〈有平糖〉
砂糖に水飴を混ぜ煮詰め形成。様々な細工ができ、昔から飾り菓子として祝い事やお供え物に使われてきました。元は南蛮菓子の一種で、ポルトガル語のアルフェロア(砂糖菓子の意)が訛ったもので、桃山時代に日本に輸入されたと言われています。数日間かけ糖化させたものは、違った歯触りが楽しめます。
〈打ち物〉
落雁―穀粉(もち米・うるち米・大麦・大豆・蕎麦・粟等)に砂糖と少量の水、水飴を加えてよく混ぜ、色々な形に彫った木型に詰めて抜きとり、加熱乾燥し舞い降りる雁に似ていたことから、近江八景の一つ「堅田落雁」になぞられ「落甘」から「落雁」になったという説などがあります。和三盆―和三盆糖を使ったもの。
〈押し物〉
みじん粉(もち米を蒸して粉にしたもの)砂糖、水などを混ぜ、押し固めて作る落雁風のお菓子です。宮城県の「塩がま」等があります。
〈煎 餅〉
うるち米系の物と小麦粉系のものがあります。一定の形に抜いて焼いたもので、種に砂糖・卵・水飴・みそを加えたり、間に餡を挟んだり、表面に醤油やみそ・砂糖を塗ったり、焼き印を押したりと様々な種類があります。「松風」「麩の焼き」「花いかだ」「八つ橋」「草加せんべい」等があります。
〈雲 平〉
砂糖にみじん粉あるいは寒梅子(白焼き煎餅を粉にしたもの)を混ぜ、着色した水を少量入れ、薄くのばして形成したもの。飾り菓子として多く用いられ、吹き寄せに入っている薄い銀杏や紅葉などがあります。
〈琥珀糖〉
茶人の間では、裏千家お家元の弟、故・伊住政和さまが命名した「氷菓糖」の呼び名が有名です。錦玉などとも呼ばれますが ,寒天と糖蜜や砂糖、風味付けに柚などを入れ流し固めます。外側は結晶化してシャリとた歯触り、中はゼリーのやわらかな感触で、見た目も涼しげな夏のお菓子です。
〈寒 氷〉
琥珀糖と同じ材料を使いますが、途中すりこ木で練り白濁させます。透明感がある琥珀糖が夏のお菓子であるのに対し、寒氷は冬のお菓子に多く見られます。