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No.52「茶壷の紐結び」

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〜 連載 学び舎〜

No.52「茶壷の紐結び」




 11月に入り各地で初雪の便りも届き、冬に向け日に日に寒くなってきていますね。
お稽古を再開されたお社中では、感染防止に努めつつ炉開き、口切の茶事を行われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

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 茶壷については以前学び舎で取り上げておりますので今回は割愛いたします。初座では、茶壷の口覆に口緒を結び網に納めた状態で床の上の三ツ割の上座にかざります。後座では、口覆をし、三本の紐を真行草に結んだ茶壷を畳床では直に、板床や書院では奉書を敷いてかざります。今回は、真行草の結びについてふれてみます。
 
両わな結び(真の結び)
正面の紐結びで長緒を使用。「わな」は罠と同源で「輪奈」、つまり糸や緒を輪状に束ねる意です。複雑に見えますが、正しく結ばれていれば紐の端を引くと絡まずにするすると解けるようになっています。そのため、結び方を知らない人が形だけ真似て結んでも、次に紐を解くときに絡まれば誰かが手を付けたことが分かる仕組みであり、毒が混入されたりしないよう、保管するための鍵の役割もあったようです。
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総角(あげまき)結び(行の結び)
床の上座(客付)の紐結びで乳緒を使用。「総角」とは「揚巻」とも書き、左右に輪をつくり、中を石畳に組む結び方で、元来は子供の髪の結い方だそうです。
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淡路結び(草の結び)
床の下座(勝手付)の紐結びで乳緒を使用。形が双葉葵に似ているところから「葵結び」、あるいは「鮑結び」ともいうそうです。淡路結びも髪の結い方の一つで、中央に一つ、左右に二つのわなを並べる飾り結びとして水引などにも広く用いられています。
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画像は以前口切の茶事にて茶壷の紐結びの担当となった折に、自宅でも練習するべくお稽古の時に撮らせていただいたものなので、お見苦しい出来ではありますが参考までに。

(参考資料)
「お茶事」をしてみませんか 正午から口切まで15のかたち 小澤宗誠著