No.38「一 二 三」
〜 連載 学び舎〜
No.38「一 二 三」
数字というのは無限であり、面白いもの。
私達の周りにもたくさんあり、よく目にするもの。
赤子が初めての一歩を歩き出すように、「一」(はじめ)があり、続いていくもの。
私達が、茶道の道に入る一歩も、人それぞれの意味や出会いがあったものと思います。
昔から「千里の道も一歩から」と云われ、茶の道でも利休居士の教えに「稽古とは一より習い十を知り 十よりかえるもとのその一」と、道歌にもうたわれています。
いかに限りなくある数字でも、すべてこの「一二三」にはじまり「三二一」に帰っていくもの。
禅語に禅宗の初祖達磨大師により伝えられた「一華開五葉 結果自然成」この一華とは、一つの花に五枚の花びら「五智」(仏の知恵)のこと。
・人としての清らかな心(大円鏡智)
・差別のない一体感(平等性智)
・優れた観察力をもつ(妙観察智)
・思いやりの心が先に立つ所作(成所作智)
・一切の存在、すべてを穏やかにみつめる心(法界体性智)
この心をもってすれば、自然と良い結果が成せるということ。
この教えは茶道に関わらず、すべてにおいて相通じるように思います。
いよいよ2020年に北海道ブロックも50周年を迎えることとなり、最初の「一」を踏み出してくださった先輩皆さまに感謝と敬意をもって「一華開五葉」の心を大切に繋げていきたいと思います。