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No.14「名物裂~金襴・緞子について」

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〜 連載 学び舎〜

No.14「名物裂~金襴・緞子について」



 名物裂は鎌倉時代から室町時代に舶載された上質な絹織物が伝来により有名になったもので、その種類は金襴、銀欄、緞子、間道、モール、印金、金紗、海気、更紗と数えられる。今回その主軸をなす金襴と緞子について調べてみた。

 image1金襴という織物は、紋様を金糸で織り出したもので、モール金糸(撚り金糸)を使用したものはモール織といい、平金糸(金箔紙)を使用して紋様を織り出したものを一般に金襴とよんでいる。平金糸は紙の上に漆を塗り、さらに金箔を置いて金箔紙を作り、金箔紙をすだれ形に細かく裁断したものを織るとき一本ずつちぎって織物の表面に向けて織り込んで紋様を出す。この平金糸はモール金糸に比して、金の表面積が広く効果が大きいため華麗な紋様が織り出される。鶏頭金襴、橘屋金襴、富田金襴、花兎金襴、高台寺金襴など。

 image2緞子は、一般には地は五枚朱子で、その裏組織である緯五枚朱子を紋様としてはっきりと織り出した織物をいう。経糸・緯糸に異なる色糸を用いて紋様をあらわしている。緞子は金襴とは対照的に豪華さ華麗さはないが、渋い美しさと沈静さが感受される織物といえる。白極緞子、本能寺緞子、藤種緞子、荒磯緞子など。

参考図書
草人木書苑 裂地 淡交社
仕覆の愉しみ 淡交社