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No.9「美しいきもの姿のために」

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〜 連載 学び舎〜

No.9「美しいきもの姿のために」




立居振舞

お茶の歴史がはじまったころから、きものは今日のような小袖という形に落ち着いてきました。
現代に移り、普段からきものを着なれていなければ、きもの姿が身につかないのも仕方のないことです。
まずは着てみること、着なれることが第一なのですが、日頃の立居振舞にすこし気をつけているだけでも違ってくることと思います。

お茶のお稽古は歩き方から教わります。
畳の上を木綿の白足袋で歩くのは気持ちの良いものですが、人に見つめられると、畳の上を歩くのもこわごわという場合もあるのではないでしょうか。
ふすまの開け方も慣れてしまうと、手のほうが動きやすい方向を覚えてくれます。
車の乗り降り、玄関での履物の脱ぎ方、そろえ方、椅子の掛け方などは、きものでも洋装でも同じのところはありますが、カジュアルな洋装のときと礼装のきものでは、動作を静かにするという気配りが違ってきます。

きものには長い袖がついています。それを着なれないひとは忘れてしまい、ドアの取っ手に引っかけたりする場合も見られます。
洋装にはない広い袖口の一が、ちょうど取っ手の使いやすい位置になるので、片手で物をもったときなどは特に注意したいものです。
手を上げる場合に、その袖口から腕を出さないよう、反対の手を袖口の下に添えます。机の上の物をとるときも袂(たもと)を軽くもちます。
会席などで食べ物や飲み物をとるとき、きものを汚したくないと思えば、自然に袖をかばって左手を添えます。きものを汚さぬよう、大切にいたわる気持ちが動作にあらわれてくると、その動作はきもの姿の美しさとなるのではないでしょうか。
「立居振舞」しぐさにも心配りのある動きを身につけたいものです。

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