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No.43「袴について」

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〜 連載 学び舎〜

No.43「袴について」



 男性が茶席に出るとき、女性と異なり、袴を着用しています。
その袴には、外見からは判断つきませんが、行灯袴と馬乗り袴があります。私も、茶道を始めた当時、どちらが正式な袴であるかわからず、地域性もあるとお伺いしたことがあります。
実際のところは、歴史の変遷により、馬乗り袴から行灯袴へと移行したため、どちらも正式な袴とのことです。
先に世に出てきたのは、馬乗り袴です。その前身は、江戸時代の各大名が着用していた長袴、また武士が着用していた切袴とのことです。どちらも、参勤交代など歩くことが多いために、襠のあるズボンタイプの袴を使用していたようです。
そこから派生し、武士がいなくなった以降は、馬乗り袴が広まりました。また、女性の袴も、最初のころは、馬乗り袴を着用しており、馬乗袴系が正式でした。
しかし、華族女子校生が行灯袴を着用するようになったとともに、男性が着物ではなく洋服の礼装が主流となり、女性人気の高い行灯袴が主流となりました。また、馬乗袴と比較し、トイレの容易性も高いことから、利便性の高い行灯袴が主流となったとも言われています。

このように見ると、着物は伝統的と言われていますが、時代の変遷により、形態が移り変わっていることがわかります。袴のみについて記載しましたが、着物も多種多様です。一つ一つの物語を知ると、ただ着物を着るだけではなく、着物を選ぶ楽しさ、着る楽しさが増すのではないでしょうか?

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