No.34「茶筅」
〜 連載 学び舎〜
No.34「茶筅」
茶筅はお茶を点てるのに無くてはならないものです。しかも他で代用する事が出来ず、茶の湯の為に作られたとても機能的な道具です。機能的といいながら、素材や形は色々あり、流派によって違いがあります。
私たちの裏千家では薄茶はしっかりと泡立て、表千家も程よく泡立てます。そのため、先端を薄く削り内側に柔らかくカーブさせています。ですが、表千家では侘びた風情が特徴の煤竹を、裏千家では清浄さや真新しさを感じる白竹と素材が違います。一方であまり泡立てない武者小路千家では穂先が先端までまっすぐで、素材は野趣溢れる染み竹を使っています。他にも、元結いが白で太めの物を使う石州流や結び目を裏側にする遠州流などたくさんの種類があります。
機能的でありながら様々な個性がある茶筅。それでいて、形は竹の一端を細かく裂き広げるといったとてもシンプルなものです。すごく不思議な道具です。5月のブロック研修会では講演も実技も茶筅。その前に少し下調べをしてみると、研修会の楽しさが2割増し、いや倍になるかもしれませんね。