No.64 「茶人デジタル活用術 」
No.64 「茶人デジタル活用術 」
この数年で茶の湯の世界でもデジタル技術を活用した学びの場が増えました。
今回は、“淡交 令和3年増刊号 「デジタル」で茶の湯を愉しむ”を参考に、オンラインを上手く活用しながらライフスタイルに合わせた新しい楽しみ方をまとめてみました。
1.オンラインで学ぶ
(1)茶道裏千家今日庵公式ホームページ(http://www.urasenke.or.jp)
①御家元ビデオ・メッセージ、各服点解説ビデオ
坐忘斎御家元による淡交会会員向けビデオ・メッセージと茶の湯を学ぶ全ての人々に向けた 「各服点」の解説動画が配信されており、いつでも視聴が可能
②裏千家オンライン茶道学
・令和2年9月開設
・坐忘斎御家元による道和をはじめ、今日庵の業躾先生による「講義編」「点 前編」の2種類
の動画が配信
・アーカイブ(過去配信動画)についても視聴が可能
・令和4年3月現在は、松井宗豊業躾先生による「茶席の掛物」
※②については、視聴するために『淡交タイムス』に毎月掲載の「会員専用ページ」用のユーザー名とパスワードが必要
③淡交カルチャーWEB(https://www.video.tankosha.co.jp)
・茶会の様子や英語でのおもてなし講座など様々な動画を配信
・現在参加可能な講座の予定はなし。
有料だが過去に実施された講義を視聴することは可能(一部無料公開あり)
(2)オンライン美術館巡り
全国の博物館・美術館で作成された展示紹介動画や情報が用意されており、ホームページを開くと施設ごとに特色のある内容が楽しめる
(3)SNS
・Instagram(インスタグラム)、Twitter(ツイッター)、Facebook(フェイスブック)、YouTube(ユーチューブ)等で情報の発信・受信
・世界中の茶の湯者と繋がり幅広い情報を共有できる
2.Zoomを利用して講演会等に参加してみる
(1)Zoomの準備と使い方
・オンライン会議システム(Zoom)導入ガイドが、裏千家ホームページの会員専用ページに掲載されているので参考にすると良い
(2)オンライン講演会
①淡交会オンライン講演会
・茶道の各分野で活躍されている方々を講師とした学びの機会
・対象者は淡交会会員と青年部会員で参加費は無料
・令和4年度は3回の開催を予定(3月、6月、10月)
・参加方法は、開催の約1か月前に各青年部内で会員に通知されるので、Googleフォームから各自で申込
・開催約1週間前に総本部より各自に参加方法がメールで送信される
②ナショナルコンファレンス2022のプレ行事
・4/16,17ナショナルコンファレンス2022までの期間限定で不定期開催されるプレ行事
・各分野で活躍されている全国の現役青年部の方々が講師となり、令和2.3年度の卒業生の含めた青年部会員の学ぶ場が提供されている
・参加は無料(一部有料もあり)
・各青年部内での案内に沿ってGoogleフォームから各自申込
※詳細は北海道ブロックホームページ内を参照(https://hokkaidoblock.grupo.jp)
③その他
講義形式の講座やオンライン茶会だけではなく、実技を伴った作陶体験や和菓子作りなど幅広い講座が開催されているので、興味のあるワードから検索して新しい世界を発見してみる
3.Zoomを利用してミーティング(研修行事等)を主催してみる
・2(1)と同様にオンライン会議システム(Zoom)導入ガイドを参照
・内容については、先ずはZoomに慣れることから始めてみる
・今までZoomでの会議に参加したことのない会員への声掛けを行うなど、青年部内で交流をはか
ってみる
・会員が講師の研修やお茶会などを企画してみる
・外部講師へ依頼の研修を企画してみる
・他青年部と合同研修会を開催するなど交流の範囲を広げてみる
4.茶道文化検定Web版(https://www.chado-kentei.com)
令和3年11月からWeb版へと生まれ変わり、パソコンやスマートフォンを利用した受験が可能
5.デジタル茶の湯マップ(https://chanoyumap.jp)
・淡交社が企画・運営
・茶の湯と日本文化の中心地・京都の情報を訪れる人に発信する情報サイト
・茶の湯を切り口とした「知りたい」「体験したい」「味わいたい」「触れたい」「買いたい」
「滞在したい」「住みたい」などのニーズに役立つ情報のリサーチが可能。
6.最後に
最近では、「デジタル」と「茶の湯」の文字が併記されていることにも慣れ、違和感もなくなりつつあります。
これまで、現地に赴かなければ見ることも聞くことも出来なかったことが、今や自宅に居ながら、あらゆる分野の情報や映像を簡単に取得することが可能になりました。
ましてや、Webで業躾先生のお点前を繰り返し拝見できるとは、なんと贅沢なことでしょうか。
ただ、見聞きしただけの膨大な情報で全てを理解したつもりで満足することなく、これまで同様に実体験・実践を通した対面で学ぶ大切さも忘れずオンラインを活用した新しい時代の茶の湯を愉しんでいきたいものです。