No.82「伝統的工芸品について」
〜 連載 学び舎〜
No.82「伝統的工芸品について」
お茶会で使われる茶道具やその作家についての説明で、「××地方の伝統工芸」や「△△焼の伝統工芸士」という言葉をしばしば耳にしますが、その意味を理解していませんでしたので、まとめました。
〇伝統的工芸品とは
以下の5つの要件を満たす工芸品を「伝統的工芸品」として、経済産業大臣が指定しています。
主として日常生活の用に供されるもの
その製造過程の主要部分が手工業的
伝統的な技術又は技法により製造されるもの
伝統的に使用されてきた原材料が主たる原材料として用いられ、製造されるもの
一定の地域において少なくない数の者がその製造を行い、又はその製造に従事しているもの
〇伝統工芸士とは
(一財)伝統的工芸品産業振興協会が実施する「伝統工芸士認定試験」の合格者
認定試験の受験資格は伝統的工芸品等の製造に現在も直接従事し、12年以上の実務経験を有する者
(参考:優れた技術を持つ人を表す言葉として「人間国宝」がありますが、正確には「重要無形文化財保持者」と呼ばれ、文化庁が認定しています)
〇北海道の伝統的工芸品
北海道の伝統的工芸品には以下の2点が指定されています。
二風谷アットゥㇱ(織物)
二風谷イタ(木工品)
いずれも沙流郡平取町が主要製造地域です。
上で紹介した北海道の伝統的工芸品をはじめ、皆さんのお住いの地域の工芸作家さんの作品を道具組に取り入れることで、北海道の工芸と茶道を盛り上げていきたいですね。
<参考文献>
経済産業省.https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/nichiyo-densan/index.html
東北経済産業局.https://www.tohoku.meti.go.jp/s_cyusyo/densan-ver3/html/top_2.html
文化庁. https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/mukei/
photoAC. https://www.photo-ac.com/main/detail/635306