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裏千家国際セミナーに参加して

裏千家国際セミナーに参加して


札幌第二青年部 櫻田 典子

平成27年6月6日(土)、7日(日)に行われた裏千家国際セミナーに参加しました。
参加者は全部で30名。北は北海道、南は沖縄と日本全国から集まったメンバーは、すでに国際的な活動を行っていらっしゃる方や、英語で茶道を教えていらっしゃる方、そして青年部の方と本当に様々な場所で活躍されている方ばかりで、今までにないたくさんの刺激を受けることができました。
一日目、裏千家茶道会館での開会式において、オリエンテーションと簡単な自己紹介を終えた後、今日庵に移動し、茶室の拝観をさせていただきながら、平成茶室でお呈茶をいただきました。私にとっては今日庵に入るのも初めてのことで、先生にそれぞれの茶室のしつらえについて丁寧に説明をしていただいたことで、とても勉強になり、有意義な時間を過ごすことができました。拝観後は裏千家センターに移動し、虚心庵にて坐禅の体験を行いました。短い時間ではありましたが、禅とお茶について、先生がわかりやすく説明をしてくださったことで、さらに禅への関心が増しました。呼吸を整え、静かな無の時間を過ごすことが本当に心地よく、「忙しい合間でも10分あれば」とアドバイスをいただいた通りに、日常のひとこまの中にぜひ取り入れてみたいと思いました。
午後からは裏千家学園に移動し、茶の湯の歴史についての講義を受けたあと、明日のプレゼンテーションに向けての準備を行いました。各10名に分けられた3つのグループで、立礼と平点前の二つのお点前のデモンストレーションを観客に説明する、というのが今回の課題。3つのグループはさらに2つの小さなグループに分かれ、お点前と説明を交互に担当します。どのような場面でどのような観客を相手に説明するのかによって、伝えるべき内容や言葉遣いも変わってくるため難しくもあり、その一方でメンバーと試行錯誤しながらひとつのものをつくる時間は本当に楽しく、色々な価値観や考え方に触れることができて非常に勉強になりました。先生方も交えての天喜での夕食会。美味しいお食事と、ガールズトークならぬお茶トークで、本当に楽しい時間を過ごすことができました。夕食後、宿に戻っても明日のプレゼンテーションに向けて各グループがあちこちで夜遅くまで打ち合わせを続けていました。
二日目は、朝の朝礼終了後、3つのグループの最終打ち合わせを行い、前日まで小さなグループで検討した内容を、点前側と説明側の双方が円滑に進行できるよう最後の調整を行いました。仕事と飛行機の関係もあり、残念ながら午後の部に参加できないため、午前中の立礼の説明を担当しました。緊張のあまり、うまく表現することができず、本当はこんなことも伝えたらよかったのにと後悔するばかりで、ご一緒いただいた方々にはたくさんのご迷惑をおかけしてしまいました。
このセミナーを通して、茶道の魅力をもっと多くの人に伝えたいという思いや、そのためにもっと語学力を磨きたいという具体的な目標ができました。けれども、それ以上に、もっと大切な何かを学んだ気がします。オールイングリッシュでの2日間は、すべてが順調だったわけではなく、時にはもどかしく思ったり、落ち込んだりすることもしばしばありました。けれどもそんな時に支えてくれたのは、初めて出会った参加者の皆さんや先生方でした。その笑顔と細やかな心配りに、本当に感謝の連続でした。そう考えたとき、ご一緒していただいた皆さまや、たくさんのことを教えてくださった諸先生方をはじめ、このセミナーのためにご尽力・ご支援くださった、たくさんの方々のおかげにより、このかけがえのない貴重な時間を過ごすことができたこと、それらのすべてが私にとって大切なものであったとあらためて感じます。今回、このような機会を与えていただき、本当にありがとうございました。ご縁をいただいた多くの方々への深い感謝の念を忘れずに、ますます精進努力に励みたいと思います。

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