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札幌第一青年部「青年部茶会」

札幌第一青年部「青年部茶会」


10月28日(日)、木々が鮮やかに色付く秋空の中、北海道茶道会館で開催された札幌第一青年部茶会へ約210名のお客様にお越しいただきました。
40名の青年部会員が、『拓 ひらく』をテーマに北海道命名150周年を記念し、一階嘉祥軒では濃茶席を二階は立礼席を行いました。
濃茶01
9月に北海道を震撼させた北海道胆振東部地震で震災に見舞われ不安が続く中、青年部一丸となり少しでも北海道の魅力を皆様に届けたいと願いを込めて、茶会の準備に取り組んで参りました。

受付・待合
2階待合では、青年部行事を紹介した第一青年部機関誌『北翔』、3月に京都で行われました『ナショナルコンファレンス2018』、6月30日~7月1日の1泊2日で行った『積丹でお茶の木を見学して地元の方とふれあおう』をテーマにした研修行事をパネルにまとめました。活動の様子を写真や研修で会員が作った作品と合わせて展示しました。お客様からは「良い経験をされていますね」「仲良くて楽しそう」などのお声をいただきました。熱心にご覧いただけたようで、日頃の青年部活動を知っていただける機会となりました。
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濃 茶 席 
一階嘉祥軒の濃茶席は、北海道命名150周年にちなんで「拓~ひらく~」を趣向に、床には鵬雲斎大宗匠筆「一華開五葉」のお軸、古銅細首花入「鶴一声」に干柿の香合を置き合わせました。
お点前道具は北海道の開拓期を連想させるものをと、水指はこぶし焼き「竹節」、茶入は大雪釜「雪結晶」、お茶杓は鵬雲斎大宗匠作「手を取り合って」、を使用いたしました。お茶は坐忘斎御家元御好「延年乃昔」、お菓子は季節の美しい紅葉を感じていただけるよう、会員で何度も話し合い試作を重ねた「蝦夷錦」で紅葉の彩りを添えました。
お水は、北広島の湧水「島松の水」を汲んで来たものを使用いたしました。こちらはクラーク博士が北広島市松島にて“Boys be ambitious”(=「青年よ大志を抱け」)の去辞を残された事を命名のご縁とし、”Ambi Water”(アンビウォーター)とされたそうです。
水屋では、お客様に美味しいお茶を召し上がっていただけるよう、茶碗の温めやお茶の正確な計量等、全員で心を込めて準備をいたしました。お客様から「熱々のお茶でとても美味しかったです」とのお言葉を頂戴できたことは、何よりも大変嬉しい事と皆で喜び合いました。
緊張する濃茶席ではありましたが、先生方をはじめ多くの方が温かく見守ってくださる中、会員同士の円滑な意思疎通や連携により、終始和やかな空気の茶会となりました。

薄 茶 席 
薄茶席では、「未来を拓く ―過去今未来の北海道― 」をテーマに2階立礼席でお客様をお迎えしました。北海道命名150年の歴史を振り返り感謝をすると共に、未来へ繋げる気持ちを込めて、アイヌの工芸や地域の窯元の作品を中心にお道具組みをさせていただきました。
床には、有馬頼底老師筆の短冊「松樹千年翠」を掛け、たらの木と細葉天南星の実を札幌・弘釜の象嵌花入「候鳥」に入れ、お軸の『翠』から緑を感じていただきました。和親棚を使用し、主茶碗は厚真町の石山俊樹作・粉引、光峰作・秋草蒔絵大棗、茶杓は小林太玄和尚作「翔」、水指しは小峠丹山作「祥瑞写イヌワシ絵」、建水は木彫りの熊を台にして山岡三秋作のこぶし焼を乗せました。
お茶は北海道にゆかりのある淡々斎御好の「渦の白」を北広島の名水で点て、ハマナスを型どった干菓子等をアイヌ文様の切り絵をを使った懐紙でお出ししました。また、同じくアイヌ文様切り絵のモビールを廊下の一角に飾り、北海道新幹線カラーの緑と紫でライトアップしたことを説明すると、どの皆様から「わぁ〜素敵ですね」と歓声が上がりました。
この度、自分たちが住まう土地でたくさんの窯元やお道具があることを知ることができました。今年の北海道は台風や地震による震災があり、復興を応援する意味も込めて北海道ゆかりのお茶碗等使わせていただきました。これからも地域に根付いたお道具を茶席に取り入れ、茶の湯を楽しみ、更なる魅力を未来へ繋げてまいりたいと思います。
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