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No.70 「利休七則」

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No.70  「利休七則」



利休七則とは、ある弟子に茶の湯の極意を問われた利休居士が答えたものです。「そのようなことは誰でも知っている」と言った弟子に対し、利休居士は「この心に適う茶ができるのなら私はあなたの弟子になりましょう」と返したといわれています。今回は利休七則についてふれてみます。

・茶は服のよきように点て

 相手が飲みやすいよう適度な湯加減、分量で点てること。そして「服のよきように」とは、単に美味しく点てるだけではなく、亭主は心を込めて点て、客はその心に感謝していただく、そんな主客の一体感も意味していると考えられます。

・炭は湯のわくように置き

 ただ形式通りに炭を置いても火が付くとは限りません。釜の湯が良く沸くようにするには、どのように炭を風通しよく置けばよいのかを理解していなければできません。本質を見極めることが大切です。

・花は野にあるように

 自然そのままに花入に入れるのではなく、一輪の花であってもその花が自然から与えられている全生命が感じられるよう生けることが大切です。

・冬は暖かに夏は涼しく

 利休居士は「夏はいかにも涼しきように、冬はいかにも暖かなるように」と答えたといいます。「いかにも~ように」とは、空調設備で快適にするということではなく、季節感を大事に、いかに工夫して表現するかということ。その設えにより四季の移ろいを分かち合えるでしょう。

・刻限は早めに

 自分の時間を大切にし、早め早めに行動するとゆとりができ心に余裕が生まれます。自分が余裕を持つことで相手の時間を大切にすることにつながります。その時間の中で一期一会の時間が作り上げられます。

・降らずとも雨の用意

 いつ何がおきようとも臨機応変に動ける心構えを持ち、実際の準備を怠らないこと。心にゆとりがあれば慌てることなく落ち着いて対応できます。適切に応じられる自由で素直な心を持つことも大切です。

・相客に心せよ

 亭主と客だけではなく、客同士もお互いを尊重することが大切です。各自の立場や役割を考えて心遣いをすることで和やかな茶席の雰囲気が作り出され楽しいひとときを過ごせるでしょう。

確かに、一見当たり前のことが書かれており、この弟子のように「そんな事言われるまでもないよ」と思う方もいらっしゃるかもしれません。ですが、当たり前のことこそが難しいのも事実。改めて見直すと、日常生活や仕事にも通じるように感じます。時折思い返して自分のあり方を見直していこうと思います。



参考
茶道裏千家淡交会 会員のしおり
裏千家ホームページ