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No.25「点心について」

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〜 連載 学び舎〜

No.25「点心について」


 
 お招きする人数の少ない茶会で時間がある場合は懐石を出すのが本来のもてなしですが、時間が限られていて、開催する人数の多い茶会の場合は、召し上がりやすいご馳走である点心をお出しします。
 献立は、催しの主旨や取り合わせの主題に調和するもので季節感を盛り込むことが大事です。最近はビニール栽培が盛んになって一年中野菜が氾濫していますが、旬のものを大事にし、特に4月は炉のものと風炉に続くものを使い分けるところに季節の喜びの味があります。
 また、大勢のお客様に差し出す場合の点心は、献立もさることながら、食器・場所・点心を運び出してもてなしをする人数と役割などを事前にしっかり決めておかなければなりません。食器は洗っている分と盛り付ける分を考えて倍は用意する必要があります。
 日本は四季折々の食材が次々と出てきますので材料が豊富にあります。できるだけ生もの、煮物、焼き物、浸したもの、汁物を少しずつでも組み合わせ、事前に作っておくものは温かい時と冷たい時の味の違いを確認し、冷えると旨みが消える場合が多いので少し濃いめにするか考えます。
 日本人は料理を楽しむとともに食器との調和や盛り付けの仕方まで「味」として賞味します。色合いや趣向が感じられるものが出てくると心遣いに嬉しい気持ちになります。
日頃から外食した時の盛り付け、飾り付けや季節のものを良く見ておき、喜んで貰えるものを取りいれることができるように心掛けたいです。
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参考
点心 辻 嘉一著 淡交社