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No.1「竹の茶道具について」

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〜 連載 学び舎〜

No.1「竹の茶道具について」




今年6月に青年部ナショナルコンファレンス2016inいわきが開催されます。
ホームページを拝見すると参加者に被災地産の竹を使った手作りの茶杓を作成して、ナショナルコンファレンス当日、その茶杓を参加者の皆さまで交換し合い、その後の交流につなげる【茶杓交換交流プロジェクト】を計画しているそうですね。そこで、2年前に実施した青年部ナショナルコンファレンス2014のグループ研修の中のひとつ【竹の茶道具について学ぶ】を振り返ってみました。

≪研修内容≫
 茶筅師の谷村丹後先生による講演に始まり、茶筅作りの実演と茶杓作り体験。
≪高山茶筅の由来≫
室町時代後期に、大和鷹山の城主鷹山大膳介頼栄の二男の鷹山宗砌が連歌を通じ親交のあった、当時の奈良称名寺住職、村田珠光のアドバイスを得て茶筅を創案したと伝えられている。その茶筅作りの技法を鷹山家の家臣に伝授し余技として茶筅作りをしていたが、鷹山家没落後地名も「鷹山」から「高山」に改まり、茶筅作りの技法が生業となった。徳川将軍家御用達茶筅師として「丹後」の名が記録されている。
≪竹の成長と伐採≫
1. 筍として生えて2~3か月で完全に成長する。
2. 竹の成長の仕方は提灯のように節間が伸びる。
3. 細工に使う竹は2~3年生。特に硬さと強度を必要とするときは4~5年生を、10月~1月の間に伐採する。(成長の休止時期で材質の締まりで虫が付きにくい)
≪茶筅の材料≫
〇白竹(淡竹) 裏千家、藪の内、遠州流、石州流、松尾流、金森宗和流、細川三斉流
〇煤竹    表千家、裏千家貴人点の時
〇黒竹    武者小路千家、山田宗偏流
≪茶杓の材料≫
白竹、煤竹、浸み竹、胡麻竹、黒竹、雲紋竹 などで作られる。
≪茶杓作りの大事なところ≫
1. お茶をすくい易いこと。
2. 茶入、棗、茶碗に安定して置けること。
3. 袱紗にて拭きやすいこと。
≪茶杓の削り方概略≫
1. 自分で削る茶杓の形をイメージする。特に櫂先が茶杓の特徴を決める部分である。その形に合わせて節上に向かって櫂先の形の巾に、多少の余裕をもって削り取る。
2. その後の削る方向は、節上を持って節下に向かって削る。これが最も重要なポイントである。
3. 大体の形ができたら、櫂先の形をさらに細かくイメージした形に削る。この時節上に向かって削る場合は十分に留意すること。
4. 櫂先の形が整えば、棗に置いて安定するように節裏を透かすように削る。
5. 茶杓が完成したら、その印として切留を切る。

≪まめ知識≫
〇茶筅も以前は、木箱に入っていたそうです。
〇煤竹は、長い年月をかけ囲炉裏の煙に燻された古い茅葺屋根の屋根裏や天井からとれたそうです。
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以上、簡単ですが、「竹の茶道具について」まとめてみました。
谷村丹後先生の茶筅作りの実演を拝見し、茶筅は茶道具の影の主役で茶道には欠かせない大切な道具であることを改めて思う研修に参加させていただきました。