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No.24「春の花」

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〜 連載 学び舎〜

No.24「春の花」


 
「花は野にあるように」と利休七則にもあるように、花は自然のままに咲く姿を大切にして入れるように心がけ、ことさらに技巧は加えません。しかし、ただ野に咲いている花を切ってきて、そのまま花入に入れるわけではありません。野に咲く美しさと、自然から与えられている生命の尊さを生かす工夫をして入れるという心構えが大切です。
 3月は桃の節句で始まります。その名の通りひな人形とともに桃の花が飾られます。6日は二十四節季の一つ「啓蟄」です。大地が温まって、冬ごもりしていた虫や生き物たちが穴を開いて顔を出す頃です。日差しも春めいて、生き物が再び活動をし始める頃とされています。21日の「春分」は昼夜の長さがほぼ同じになる日で、この日を境に日が延びていきます。春分の日は彼岸の中日で前後3日間を春彼岸といい、先祖のお墓参りをする習慣があります。「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉の通り、本格的な春の訪れが感じられます。
茶花になる花も温かくなるにしたがってその種類も多くなります。椿だけでなく、木瓜(ボケ)、連翹(レンギョウ)、雪柳(ユキヤナギ)、などの木の花もほころび始めます。
利休忌では、菜の花が供えられ、その日から使い始めるものとされています。菜の花は利休居士に縁のある花で、最後に入れておられたと伝えられています。
まだまだ雪深い北海道ですが、土筆や蕗の薹などといった身近な野草たちを茶室に迎えられる春が待ち遠しい今日この頃です。
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