№251「承前啓後」

~コラム~
コラム№251「承前啓後」
あけましておめでとうございます。
昨日、習っているお社中で初釜がありました。その時に、先生の計らいで、社中の中で一番の先輩にサプライズで卒寿のお祝いをいたしました。先生は、「90歳になっても、お茶のお稽古にいらしてくれる。私たちの憧れの先輩であり、お社中仲間」という表現をしていらっしゃいました。自分の生徒のことを、先輩で仲間とおっしゃる先生も、とても素敵だと思いました。
私自身、今年46歳を迎えます。ほとんどのコミュニティの中では中堅、時には最高齢となることが増えてきたわけですが、お茶の世界は例外で、まだまだひよっこ。私が習っているお社中では、小中学生で習っている子どもたちもいますが、大人の中では最年少です。
タイトルの「承前啓後」は、昔からのものを受け継いで、未来を切り開くことの意味でございます。
茶道というと、馴染みのない方は、堅苦しいのではないかと思われることも少なくありません。もちろん、そういう側面があることは否めませんが、同時に非常に自由であるということを、経験のない方にも広く伝えていきたいと思っています。
伝統的な文化を守るには、昔と同じことを変えずにやっていては、結果的に続けることが不可能になり衰退してしまいます。我々若手が、長く続けていくために現代に合わせること、そして、新しい側面を見出し、許容範囲を広げることが伝統を守ることにつながると感じています。
我が家では、生活の中にお抹茶と和菓子があり、おやつの時間の選択肢の一つとなっています。今年のお正月は、それぞれ自分の干支の練り切りで、お抹茶をいただきました。お作法はそっちのけですが、家族みんなでお茶を楽しんでいます。
そのように、伝統を受け継ぎたい人はしっかりと学び、そうでもない人もふわっと経験して、自然と茶道とふれあい、つないでいきたいと思っています。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
