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コラム№257「自分を見つめる旅」
「当機はまもなく着陸します」
早朝から飛行機に乗っている私は昨日の仕事の疲れを感じながらぼんやりと窓から大都会の街並みを見下ろしていた。12月に行われる全国代表者会議に参加するために飛行機で最寄りの空港まで移動していた。仕事の都合で前日入り出来なかった私は仕事が終わるとそのまま新千歳空港付近のホテルまで3時間以上の時間をかけて車で移動して一泊し、早朝の飛行機で伊丹空港に向かっていた。
「ANAをご利用いただきありがとうございます。どなた様もお忘れ物のないように…」
大阪は思ったより暖かかった。さらにリムジンバスで京都駅まで移動する。紅葉シーズンなのだろうか、京都駅は多くの観光客と修学旅行中の学生で溢れていた。京都駅を見るとようやく京都に来たという実感が湧く。そこで、私はここまで来たという嬉しさで疲れが吹き飛ぶ。
代表者会議では他の青年部との意見交換を大事にしている。実際に顔を合わせることでしか得られない体験もある。他の青年部と自分の青年部との共通点は何だろうか、他の青年部ではどのような課題を抱えているのか。自分の青年部への悩みの解決策が見つかることだってある。そして、2日間に渡る交流で多くの情報を得ることで今後の自分の青年部での活動をより豊かにする。2日目は名残惜しい感情が湧いてくる。もう少し交流したかった。後ろ髪を引かれる思いだ。
帰りの飛行機の中で流れる雲をぼんやり眺めながら今後の青年部のことを考える。もう少し上手くやれるはずだ、今の青年部には何が足りないのかなど様々な考えが浮かぶ。
「ANAをご利用いただきありがとうございます。どなた様もお忘れ物のないように…」
外はすでに真っ暗で身を刺すような寒さが襲ってくる。
明日からも頑張ろう。心の中でその言葉を反芻しながら車に乗り込み、3時間以上の時間をかけて帰路についた。
「…そうだ、途中で温泉に寄って体でも温めるか…」
